七ツ岳岳縦走・翁頭山・鬼岳とキリシタン歴史探訪の旅
七ツ岳(ななつだけ) 神宿る山、信仰の山/九州百名山
地元では「ななんたけ」と呼ばれ、威容を誇る九州百名山の美しい山です。やや健脚者向きの変化に富んだ稜線歩きは、挑戦された皆様全員が満足します。登山は草づみ地蔵堂からがお勧め。難所の岩場を二つを過ぎると50分ほどで頂上。山頂で緑と海を見ながら休憩。ここからアップダウンが始まり、四つ目のピークからは365度の展望が開けます。登山道の途中では、木立の中、四季折々のシダ類やつつじ、ミヤマウズラ、椿、センリョウなどの花々を楽しめます。また、父ヶ岳との分岐点からはスダジイなどの原生林があり、歩道も整備されています。平家の落武者を祀った七嶽神社奥殿を経て、ほどなく神社下社に到着。そこでといれ、休憩。ここから30分位車道を歩くと老人ホームのあるバス停になります。さらに、30分県道を歩くと荒川温泉の足湯に入ることができます。子の足湯は20人ほどが入れる無料の市営足湯です。
翁頭山(おうとうさん) 五島富士は一等三角点
「五島富士」と言われる翁頭山は、「雨通宿の山」から「ウトん山」と呼ばれていましたが、ろう石採堀のために焼き払い“翁の頭”にそっくりになったことが名前の由来になったと言う説もあります。福江島では3番目に高い山であり、一等三角点もあります。農業用水としての翁頭池周辺は、貴重な植物である「タスキアヤメ」生息地です。亜熱帯から熱帯分布する南方系の湿原植物であり、五島は日本における分布北限地の一つです。登山口から30分ほどで登頂できます。簡易トイレがあり、また展望所も設置されています。標高340mの第一展望台付近にある中学生ゾーン(記念樹や巣箱が設置)からが急な登りで階段が170段ほど続きます。頂上からは、福江市街地や遠くには七ツ岳・父ヶ岳まで展望できます。山道も丸太を使った滑り留めの階段や、ロープの手すり等で道を整備されていますので、子供から年配者まで安心して登れる山です。
鬼岳(おにだけ) 火山涙(ペレーの涙)を産出した福江島のシンボル
福江火山群(鬼岳、火ノ岳、城岳、箕岳、白岳)の主峰で、島民から愛されている福江島のシンボルの山は、全面が芝生の火山です。また1966(昭和41)年まで五穀豊穣祈願の「雨乞い」の風習もありました。1955(昭和30)年には西海国立公園に指定され、尾根沿いに福江空港や市街地、二次離島である黄島・赤島・無人になりつつある黒島が見えます。遠くに2018年世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」にな った久賀島、奈留島・上五島も一望できます。春に、スミレ・ヒナギキョウ・オカオグルマ、夏に、ロクオンソウ・フナバラソウ・ノヒメユリ、秋は、リンドウ・サイヨウシャジン・ノダテ・アキノキリンソウなどの野草に出会えます。18000年前に福江火山群の噴火でできた鎧瀬溶岩海岸は、溶岩が海岸に流れ込み、一気に冷却しました。黒い岩肌が美しい景観の海岸線が7キロ。火口を一周歩くと偉大な自然のパワーを感じることができます。